iSharesの新興国債券ETFであるEMBと住信アセットマネジメントの新興国債券投資信託であるSTAM 新興国債券インデックス・オープンを比較・検討してみました。
[iShares EMB]
http://jp.ishares.com/product_info/fund/overview/EMB.htm
[STAM 新興国債券インデックス・オープン]
http://www.sumishinam.co.jp/stam_index/stam_em_bond.html
◆コストの比較
まずは信託報酬などのコストから比較してみます。
EMB … 0.6%
STAM 新興国債券 … 0.756%
EMBの方が若干コストが安いです。
しかし、EMBは海外ETFなのでリバランス時に購入・売却手数料が多くかかります。
1年に1度資産のリバランスを行うとして、海外ETF購入・売却で最も手数料が安いマネックス証券の手数料を基準に計算してみます。
注文の手数料 … 1注文 25.2ドル
信託報酬の差 … 0.756%-0.6%=0.156%
すなわち、最低投資額×0.156%=25.2ドル
よって最低投資額=25.2ドル÷0.156%≒16153.85ドル
1ドル90円とすると約145万円以上を新興国債券クラスに割り当てている人でなければEMBを購入するメリットはない、と言えます。
また、ドルを購入するときの手数料を入れるともっと投資総額が多くなければ割に合いません。
◆投資先の比較
EMBとSTAM 新興国債券では投資先を比較してみます。
同じ新興国債券を対象としていますが多少、投資先が異なります。
【EMBの主な投資先 (2009年12月) 】
10.88% … ブラジル
10.22% … ロシア
8.94% … メキシコ
8.38% … トルコ
7.00% … フィリピン
5.43% … インドネシア
4.70% … コロンビア
4.68% … 南アフリカ
4.49% … ベネズエラ
4.30% … ペルー
【STAM 新興国債券の主な投資先 (2009年9月) 】
10.00% … ブラジル
10.00% … メキシコ
10.00% … トルコ
10.00% … ハンガリー
10.00% … ポーランド
10.00% … 南アフリカ
10.00% … マレーシア
10.00% … タイ
9.20% … インドネシア
4.70% … コロンビア
EMBはSTAMと比較して一番異なるのはロシアへの投資です。
EMBはロシアへ全体の10.22%を投資していますがSTAM 新興国債券は1.3%に過ぎません。
そして、EMBはフィリピンへ7.00%投資していますがSTAM 新興国債券は投資していません。
逆にSTAM 新興国債券はハンガリーやポーランドへ投資していますがEMBは投資していません。
実は、指標となるインデックスが異なるためにこのような差異が生じているのです。
【EMBの指標】
JPモルガン エマージング・マーケッツ・ボンド・インデックス・グローバル・コア・インデックス
(JPMorgan Emerging Markets Bond Index Global Core Index)
[myIndex - JPモルガン EMBI グローバル・コア (円換算ベース) ]
http://myindex.jp/data_i.php?q=MG2003JPY
【STAM 新興国債券の指標】
JPモルガン ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド
(JPMorgan Emerging Markets Bond Index Global Diversified)
[myIndex - JPモルガン GBI-EM グローバル ディバーシファイド (円換算ベース) ]
http://myindex.jp/data_i.php?q=MG2004JPY
2009年12月時点での指標を見るとEMBの方が有利のようですが、期間が短いため差があるかどうかハッキリと言えません。
◆比較・検討結果
あくまで私見ですが、注文手数料や為替手数料を考えるとSTAM 新興国債券の方が指標としているインデックスの差を含めて考えても有利と思います。
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