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2019-09-08

9種類の必須アミノ酸

たんぱく質を構成している20種類のアミノ酸のうち、9種類のアミノ酸は体内で生合成することができません。
DNA の化学的組成とアミノ酸

この9種類のアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、食物から摂取する必要があります。
以下に、まとめてみました。

  1. トリプトファン
    化学式:C11H12N2O2
    機能:セロトニン生合成のサポート
    特徴:ビタミンの一種である「ナイアシン」の原料になったり、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムと共にセロトニンを生合成します。
     
  2. リジン
    化学式:C6H14N2O2
    機能:肝機能のサポート、免疫機能のサポート、カルシウムの吸収促進、ホルモンや酵素の生合成
    特徴:リジンは動物性たんぱく質に多く含まれ、穀物などの植物性たんぱく質にはあまり含まれていません。
       そのため、炭水化物中心の食生活をしていると不足しやすくなるアミノ酸です。
     
  3. メチオニン
    化学式:C5H11NO2S
    機能:ヒスタミン調整、肝機能のサポート
    特徴:かゆみなどのアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの血中濃度を下げる効果があります。
       メチオニンが不足すると、利尿機能が低下し、むくみや動脈硬化を起こしたり、抜け毛の原因となります。
     
  4. フェニルアラニン
    化学式:C9H11NO2
    機能:神経機能のサポート
    特徴:脳と神経で信号を伝える神経伝達物質として働きます。
       甘味料アスパルテームの原料ともなっています。
     
  5. トレオニン (スレオニン)
    化学式:C4H9NO3
    機能:成長促進、新陳代謝促進、肝機能のサポート
    特徴:動物性たんぱく質に多く含まれ、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぎます。
     
  6. バリン
    化学式:C5H11NO2
    機能:たんぱく質の生合成、肝機能のサポート、血中の窒素バランス調整
    特徴:構造上、分岐鎖を持つため、ロイシン、イソロイシンと共に分岐鎖アミノ酸「BCAA」と呼ばれます。
       筋肉組織で代謝されます。
     
  7. ロイシン
    化学式:C6H13NO2
    機能:たんぱく質の生合成、肝機能のサポート
    特徴:構造上、分岐鎖を持つため、バリンやイソロイシンと共に分岐鎖アミノ酸「BCAA」と呼ばれます。
       幅広い食品に含まれており、通常の食生活で不足することはありません。
     
  8. イソロイシン
    化学式:C6H13NO2
    機能:成長促進、血管拡張、肝機能のサポート、筋肉強化、神経機能のサポート
    特徴:構造上、分岐鎖を持つため、ロイシン、バリンと共に分岐鎖アミノ酸「BCAA」と呼ばれます。
     
  9. ヒスチジン
    化学式:C6H9N3O2
    機能:神経機能のサポート、成長促進
    特徴:大人になると体内で生合成できるようになりますが、子供の間は生合成ないため、必須アミノ酸として分類されています。
       ヒスチジンの生合成は人体内での生合成が遅く、大人になると体内で生合成できるようになるため、かつては必須アミノ酸に含まれていませんでした。

ヒスチジンの項で記載した通り、かつては8種類のアミノ酸が必須アミノ酸でした。
1985年に FAO や WHO はヒスチジンを必須アミノ酸に含めるとしたため、それ以前の8種類から9種類に必須アミノ酸の数が変わっています。

これら、必須アミノ酸は全種類をバランスよく摂取しないと有効利用されません。
「バランスの良い食事」が重要な理由の1つです。
バランスの良い食事、すなわち食品単体ではなく、1日の食事の中でアミノ酸を合計したものでバランスが良くなることが望ましいです。

また、上記の9種類は人、すなわちホモサピエンスにおいて生合成ができないことが基準になっているため、動物の種類によって必須アミノ酸の種類は異なります。
例えば、ラットや犬では、アルギニンを生合成する能力が低いため、人の必須アミノ酸9種にアルギニンを加えた10種がこれらの動物の必須アミノ酸になります。