2005年7月17日

将来予測と物理学と工学

カオス系でなくても、将来予測が困難であるとする、簡単な例がある。
それが、非線形を含む事象である。

線形な事象は、すべて解析解を得られる物理法則で成り立っている。
大学で課される微分方程式や微分積分の問題が必ず解が得られるのと同じだ。
それに対し、非線形を含む事象は、解析的に解を得られない。
非線形な物理は、数値解析で解を得ることが多く、その時の計算するグリッドの細かさが精度につながる。
理論的には、グリッドを無限小にとれば解析解と同様に正しい解を得られる。
しかし、無限小のグリッドは不可能なので、非線形を含む事象の将来予測は完全にはできない。

つまり、現状では天気予報は天気予告にはならないのである。
工学では、この非線形な領域を線形に近似して解を得ることも多い。
工学的アプローチは、正しい解を得ることが目的ではなく、製品などに問題が出ないレベルで、効率的な方法を探るのが目的だからだ。
線形化の結果、誤差が解の10の-3乗程度のオーダーで含まれるなら、その誤差は無視してしまう。

ここが、物理学と工学の違いでもある。
真理を探求する者か、真理の探求によって得られた結果を応用する者か、である。

0 件のコメント: