2008年3月16日

国債と国内債券ファンドの考察

日本の国債には、利付国債と、個人向け国債の大きく分けて2種類があります。
利付国債は法人・個人が購入可能、個人向け国債は個人のみ購入可能な日本国の債券です。

◆利付国債 (窓口販売国債)
  • 2年利付国債 (正式名称:「利付国庫債券(2年)」)
  • 5年利付国債 (正式名称:「利付国庫債券(5年)」)
  • 10年利付国債 (正式名称:「利付国庫債券(10年)」)

◆個人向け国債
  • 固定5年
  • 変動10年

◆利付国債と個人向け国債の途中換金の違い
  • 利付国債は市場で売却することで途中換金を行う。
  • 利付国債は売却時の価値に応じてお金に換金される。
  • 個人向け国債は違約金を支払い国に買い取らせることで途中換金を行う。
  • 個人向け国債は変動10年は直前2回分×0.8、固定5年は4回分の利息×0.8を支払うことで途中換金できる。
  • 利付国債はいつでも換金 (市場売却) 可能だが、個人向け国債では変動10年は1年以上、固定5年は2年以上経たないと換金できない。

◆利付き国債と個人向け国債の金利の違い
  • 利付国債…その時の国債市場の金利をふまえ、金融機関の入札時に財務省が決定する。
  • 個人向け国債固定5年…5年利付国債の想定利回り-0.05%
  • 個人向け国債変動10年…10年利付国債の平均落札価格を基に計算される複利利回り-0.80%
  • 個人向け国債変動10年は市場金利によって半年に1回金利が見直される。
  • 利付国債は 購入金額>額面金額 であり、購入金額の方がわずかに高い。
  • 個人向け国債は 額面金額=購入金額 である。
  • 金利が 個人向け国債5年>利付国債5年 となることがある。

◆国内債券ファンド
  • 利付国債を中心に定期的に国債を購入、運用するファンド。
  • 定期的に固定利付国債を購入し、運用する。
  • 国債と異なり分配金を再投資することも可能なファンドが存在する。

◆特別マル優制度
  • 「マル優」と呼ばれる少額貯蓄非課税制度があり、対象者は元本350万円の預金の利息に税金がかからない。
  • マル優の預金350万円の枠以外に対象者が保有する国債には特別マル優として350万円の枠があり、国債の利息に税金がかからない。
  • 対象者は各種障害者手帳の交付者、各種障害年金受給者、各種遺族年金受給者、寡婦年金受給者、児童扶養手当受給者など。

◆考察
  • 固定の利付国債を1度だけ購入する場合、もし金利が上昇すれば低金利の国債つかんでいることになり、途中換金も困難でリスクが増える。
  • 固定の利付国債を定期的に購入できれば平均化できて良い。
  • 変動10年は複利利回り-0.80%の金利だが、金利が上昇局面の時は金利も上昇に動くため有利に働く。
  • 変動10年は下落傾向の時は不利に働く。
  • 国内債券ファンドの信託報酬は低いもので0.42% - 0.46%であり変動10年の減額利率0.80%より小さい。
項目
固定利付国債
個人向け国債 変動10年
国内債券ファンド
価値
額面金額固定
額面金額固定
価値は日々変動
購入単位
5万円
1万円
1万円
金利
償還まで固定
年2回変動
決算の度変動*1
途中換金
市価で売却
2回分の利息×0.8の違約金
市価で売却

*1: 金利換算は、分配金とその時のファンド1口あたりの価値によって決まる。

◆私見
国内債券の資産クラスについて長期投資を前提とした場合の私見を以下にまとめます。
  • 10年利付国債を定期購入するのが最もコストがかからない。
  • 国内債券ファンドの方が個人国債の変動10年よりコストが小さく、複利効果もあり長期的に有利。
  • 国内債券ファンド→10年利付国債購入のリレー投資を10年間行い、その後は国債を中心に運用するのがベスト。

◆運用例:100万円を国内債券の資産クラスに割り当てる場合
  • 1年目:
    5万円分の10年利付国債を2回購入、90万円分を国内債券ファンドに投資。
  • 2年目-10年目:
    国内債券ファンドを5万円分売却し、5万円の10年利付国債を購入。
    これを年2回行う。
    追加投資するお金や国債の利金は国内債券ファンド売却額で調整する。
  • 11年目以降:
    償還を迎えた利付国債の償還金で再度10年利付国債を購入。
    追加投資するお金や国債の利金は国内債券ファンド購入にまずは当てる。
    ゆっくり5万円分の10年利付国債の分散購入を繰り返していく。

◆補足
  • 手続きが面倒であれば、国内債券ファンドを購入してそれだけで運用するのもありだと思います。
  • 地方在住で地方銀行か郵便局しかなくパソコンが使えないような方の場合、個人向け国債を郵便局で購入するのがベストで、次点は信用金庫の国内債券ファンドだと思います。
    (地方銀行の中には国債口座の維持手数料をとっているところもあるためです)
  • 10年以内の短期運用であれば、流動性が高くはじめから投資対象の債券が分散している国内債券ファンドが良いと思います。

5 件のコメント:

jumpei さんのコメント...

勉強になりました。ありがとうございます。
さてさて、2点ほど質問させてください。

・利付国債は
 購入金額>額面金額
 ということですが、どうして?

・利付国債は店頭窓口販売のみですよね?

利付国債は言葉では知ってましたが、
個人は買えないと思い込んでいたので、まったくノーマークでした。
私も利付国債、検討します。

空野歯車 さんのコメント...

jumpeiさん、こんにちは。
利付国債が
購入金額>額面金額
なのは、利付国債は金融機関が入札によって購入し、その入札額が購入金額に反映されるためです。
また、利付国債は6ヵ月に1回利息が支払われますが、約定時点から第一回の利息支払いまではぴったり半年間とならないため、その6ヵ月に満たない日数の利子を調整する初回利子調整額が購入金額に反映されます。

利付国債はSBIイートレード証券でインターネット販売または電話販売されています。
また、一般の銀行などでは店頭または電話で販売されています。ただし、銀行によっては口座管理費をとる銀行もあります。
店頭で購入する場合は口座管理費が無料で全国で手続きが出来るゆうちょ銀行をお勧めします。
もし、特別マル優などが使用可能であれば、SBIイートレード証券は電話で、ゆうちょ銀行は店頭で手続きする必要があります。

jumpei さんのコメント...

空野歯車さん。
早速の回答、ありがとうございます。

入札額が反映されるとのことですが、
となると、金融機関ごとに購入(販売)金額が違ってくるってことですか?

イートレードで買えるんですね。リサーチ不足ですみません。
マル優は使えませんが、早速検討してみたいと思います。
ありがとうございました。

空野歯車 さんのコメント...

jumpeiさん、こんにちは。
利付国債は金融期間によって販売価格が異なります。
 ・募集価格
 ・応募者利回り
などの値で比較します。

利付国債5年と個人向け国債5年の場合、個人向け国債5年の方が利回りが高くなることもあるので注意してください。
それでは。

jumpei さんのコメント...

空野歯車さん。
なるほど。よくわかりました。
ちょいと検討してみます。
ありがとうございました。