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2006-12-24

地上デジタル放送とHDD内蔵DVDレコーダ

地上デジタルテレビ放送とDVDレコーダを取り巻く環境は、複雑化の一途をたどっています。
私が知りうる限りでまとめてみました。
なお、デジタル放送の決定以来「地上波デジタル放送」と呼称されていましたが、総務省が「地上デジタル放送」と呼称しているためここではこの呼称を使用します。


◆DVDのメディアの種類
・読み出し専用型DVD
   DVD-Video (映画などのコンテンツに利用される)
   DVD-Audio (次世代音楽CD候補のひとつ)
   DVD-ROM (PCでよく利用される)

・書き込み可能型DVD
   DVD-R (1度だけ記録可能)
   DVD-R DL (2層式、1度だけ記録可能)
   DVD-RW (複数回書き換え可能)
   DVD-RAM (複数回書き換え可能)
   DVD+R (1度だけ記録可能)
   DVD+R DL (2層式、1度だけ記録可能)
   DVD+RW (複数回書き換え可能)

・CPRM対応DVD (CPRMに関しては別途解説)
   DVD-RAM (CPRM対応)
   DVD-RW (CPRM対応)
   DVD-R (CPRM対応予定)
   DVD±R (CPRM対応予定)

※DVD-RAMは、カートリッジタイプとカートリッジから取り出せるタイプがあり、さらに片面と両面の2種類、そして8cmメディアと12cmメディアがあります。
DVD-RAMは、DVD±R/RW規格と異なりDVD-ROM/Videoとの互換性がないため、DVDプレーヤーでの再生には注意が必要です。
互換性がない代わりに10万回の書き換えが可能です(DVD±RWは1000回程度)。


◆地上デジタルテレビ放送と「コピーワンス」
2004年4月5日から、BS/地上デジタル放送の番組は全て「コピーワンス」化されました。
コピーワンスとは、その名の通り1度だけ録画を許可するコンテンツのことです。
つまり、ディジタル放送をDVDレコーダでDVDに録画した場合はダビングはできません。
なお、VHSビデオデッキなどアナログ機器へは録画・ダビングは可能です。


◆「コピーワンス」とHDD内蔵DVDレコーダ
HDD(ハードディスクドライブ)内蔵型DVDレコーダが登場していますが、「コピーワンス」によってハードディスクからDVDへ録画したコンテンツの転送にも規制を受けます。
「コピーワンス」によって、「複製は1個だけ」となるので、ハードディスクから記録型DVDへの「ムーブ」(移動)となります。
DVDへコンテンツの「ムーブ」が完了すると、ハードディスクからはコンテンツは消えます。
当然、VHSのような2台のDVDレコーダによるダビングもできません。


◆DVDレコーダの録画モード
DVDレコーダには「ビデオモード」と「VRモード」があります。

・ビデオモード(DVD-Videoフォーマット互換)
   カット編集ができないなど自由度が低いです。
   古いDVDプレーヤーで再生できる互換性の高さが特長としてあります。
   しかしビデオモードでは、地上デジタル放送は記録できません。

・「VRモード」(DVD-VRフォーマット)
   地上ディジタル放送の録画は「VRモード」だけ可能となります。
   録画した映像を自由にカット編集できます。
   当然、CPRMに対応したメディアが必要となります。
   欠点は古いDVDプレーヤーでは再生できないことです。
   ※2003年5月以前のPS2など


◆CPRMと地上デジタルテレビ放送
CPRM(Content Protection for Recordable Media)とは、記録可能なメディアに関する著作権保護技術の一つです。
地上デジタルテレビ放送では、「コピーワンス」を制御するための方法が必要となりました。
そのための仕組みの1つが「CPRM」です。
具体的には、CPRM非対応の録画機やメディアを使って、「コピーワンス放送」を録画することはできません。
現在は、上述したとおりDVD-RWとDVD-RAMでCPRM対応ディスクが発売されており、対応メディアにはパッケージに「CPRM対応」と表示されています。


◆B-CASカードとBS/地上デジタル放送
2004年4月5日より、放送の「コピーワンス」化と共に、放送の仕組みが新しくなりB-CASカードの受信機への挿入が必須となりました。
B-CASカードはデジタル放送を受信する機器(テレビやチューナ)などに添付されている、暗号を解除するための鍵データの記録されたICカードです。
デジタル放送事業者が共同出資して設立した株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ社(B-CAS)が発行しています。
B-CASカードはお買い求めのデジタルテレビやチューナ1台に1枚同梱されています。
常時、受信機に挿入した状態で使用することになります。
デジタル放送はB-CASカードがないと、コンテンツ保護のためスクランブルがかかって視聴・録画できません。

[B-CASカード]
http://www.b-cas.co.jp/


◆D端子とHDMI
HDMIは、デジタル映像・音声入出力インターフェース規格です。
映像だけでなく、音声・制御信号も送受信できるようになっています。
現在のDVDレコーダおよび、デジタルハイビジョンテレビまたは、HDTV(High Definition TV: 高精細テレビ)では、D端子が主流でしたが、HDMI対応品が増えてきました。
なお、不確定要素として、次世代DVDでは市販コンテンツがHDMIでしかHD再生できない可能性が指摘されています。
実際には、テレビがHDCP(著作権保護用システム)に対応するかどうかというのが問題となっているようです。
D端子であっても、HDCP対応したテレビであればHDMI-DVIの変換ケーブルを用いて使用することが可能です。
アメリカではHDMIが主流となっており、日本もHDMIが接続部の主流となるのではないかとの観測があります。
もし、これからDVDレコーダやテレビを購入するのであれば、DVIだけでなくHDMIにも対応した製品を選択するのが良いでしょう。


◆海外との互換性
地上デジタルテレビジョン放送は大別してアメリカ方式(ATSC)、ヨーロッパ方式(DVB-T)及び日本方式(ISDB-T)に分かれます。
つまり、日本向けのレコーダは海外で使用できません。


◆HDD内蔵DVDレコーダの選択ポイント
・CPRM対応か?
   ※録画にはCPRM対応メディアが必要です。
・VRモード対応か?
・編集後のコンテンツを「ムーブ」(移動)することはできるか?
・ディジタルチューナ内蔵か?
   ※1 ディジタルチューナ内蔵タイプにはB-CASカードが同梱されます。
   ※2 ディジタルチューナが別にある場合はなくても問題ありません。
・HDMI端子は付いているか?
・購入する(もしくは購入済み)テレビとの連係機能(ビエラリンクなど)は付いているか?


◆詐欺に注意
「株式会社日本デジタル放送」(代表 相原正弘)と称する会社から、「デジタル放送接続請求書」と題する請求書が送付されたとの問い合わせが、総務省及びその関係機関に寄せられているそうです。
国やその関係機関は、「株式会社日本デジタル放送」とは一切関係なく、また、国や関係機関が地上デジタル放送への移行のために国民視聴者にアンテナ受信端末切替工事等の費用を負担いただいている事実はなく、請求書等を送付することも一切ありません。
このような詐欺がありますので、注意しましょう。


◆アナログ放送の終了予定
現在の地上波放送は、地上デジタル放送に置き換わって行き、2011年には完全に終了の予定です。
地方は今年になって地上デジタル放送が開始されたところも多く、切り替えが進んでいないためアナログ放送終了は延期されると思います。

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