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2020-10-18

「食品用ラップ」は4種類あるので使い分けましょう

一口に 「食品用ラップ」といっても素材によって4種類あります。

それそれの代表的なラップ製品と特徴をまとめてみました。

食品用ラップ
(イラスト著作:みふねたかし@いらすとや)

【食品用ラップの種類】

  1. ポリ塩化ビニリデン (PolyVinyliDene Chloride:PVDC)
    代表的なラップ製品:サランラップ、ニュークレラップ等
    耐寒耐熱温度:-60℃~140℃
     
    この素材は、においや湿気、酸素を通しにくいので、冷蔵庫内でのにおい移りがなく、食材の酸化劣化の抑制や乾燥を防止し、みずみずしさを保つのに有効です。
    また、耐熱性は140℃で電子レンジ適性もあり、引張弾性、カット性、透明性などの点で一番優れています。
    かつては焼却時のダイオキシン発生問題に揺れましたが、近年の高性能焼却炉で800℃以上で完全燃焼させればダイオキシンは発生しません。
    高性能な素材ですが、4種類の中では最も価格が高いです。
     
  2. ポリ塩化ビニル (PolyVinyl Chloride:PVC)
    代表的なラップ製品:PS業務用ラップ、オカモトラップ、日立ラップ等
    耐寒耐熱温度:-60℃~130℃
     
    収縮性が強いため器にくっつきやすく、飲食店やスーパーなどの業務用ラップとして使われることが多い素材です。
    酸素透過度はポリ塩化ビニリデンに劣りるので、食材のにおい移りを避けたい場合には向いていませんが、価格的にはポリ塩化ビニリデンよりも安いので、一時的な保存用に向いています。
    (におい移りするので、ご家庭の冷蔵庫保存には向いていないということでもあります)
    かつては焼却時のダイオキシン発生問題に揺れましたが、近年の高性能焼却炉で800℃以上で完全燃焼させればダイオキシンは発生しません。
    耐熱性は130℃で電子レンジ適性もあります。
     
  3. ポリメチルペンテン (PolyMethylPentene:PMP)
    代表的なラップ製品:フォーラップ等
    耐寒耐熱温度:-30℃~180℃
     
    1990年代、塩素系プラスチック (ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなど) によるダイオキシンの発生が社会問題になりました。
    そこで、非塩素系プラスチック素材の需要から、「耐熱性の高い非塩素系ラップ」として商品化されたのがポリメチルペンテンです。
    焼却炉の技術改善に伴い存在感が希薄になりましたが、現在では、180℃の高耐熱性がセールスポイントと言え、特に油脂耐性については他の材質よりもすぐれています。
     
  4. ポリエチン (PolyEthylene:PE)
    代表的なラップ製品:ポリラップ等
    耐寒耐熱温度 (ポリエチレン単層) :-70℃~110℃
    耐寒耐熱温度 (ポリエチレン+ナイロン積層) :-60℃~160℃
     
    ポリエチレンのラップにはポリエチレン単層タイプと、性能向上を行ったポリエチレン+ナイロン積層タイプがあります。
    ポリエチレン単層タイプは添加物なしという面では4種類の中で最も環境面で安心感がありますが…
     ・酸素透過度が高く、食品が酸化しやすい。
     ・臭気透過度が高く、におい移りしやすい。
     ・密着度が低く、容器から剥がれやすい。
    …といったデメリットがあります。
    (ポリエチレン+ナイロン積層タイプではある程度、改善されています)
    酸素を通しやすいという特徴は、呼吸しているある種の野菜や果物の保存に適している場合もあります。
    耐熱性は110度で水分が多い食品を温めるだけであれば問題はありません。
    (油分が多い食品は温めには使用しない方が良いでしょう)
    価格は最も廉価です。

原材料が良く分からない場合は、耐寒耐熱温度の範囲で判別できます。

このようにラップは素材の種類によって4種類あり、それぞれ特性が違いますから、特性によって使い分けましょう。

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