2010年4月の統合を目指すそうです。
[ルネサスのニュースリリース] NECエレクトロニクスとルネサス テクノロジの事業統合について
[NECエレのニュースリリース] NECエレクトロニクスとルネサス テクノロジの事業統合について
構図的には国内唯一のDRAMメーカーのエルピーダメモリと同様です。
- 日立の元DRAM部門+三菱電機の元DRAM部門+NECの元DRAM部門
→エルピーダメモリ - 日立の元半導体部門+三菱電機の元半導体部門+NECの元半導体部門
→今回の統合で発足する会社
(ルネサスは非上場企業、NECエレは上場企業)
統合に向けた課題は多そうです。
- NECエレは株主にアメリカの投資ファンドのペリー・キャピタルがいて、合併の条件で調整が長引くかもしれません。
- NECエレが提携していた東芝の動向が気になります。
NECエレは東芝の半導体事業と技術提携を行っていたため、NECエレと東芝の半導体事業の統合も協議していたようですが、うまくまとまらなかったようです。
ただ、東芝の半導体事業も瀬戸際と言えますから新会社に合流するかもしれません。 - 赤字体質の改善にはリストラ策 (再建策) も必要ですが3社がまざりあった状態でどこまで出来るか疑問です。
ルネサスは日立と三菱電機の製品ラインアップがそのまま残っていますから。
世界第3位の半導体メーカーとなってもエルピーダメモリのように一端、シェアは落ちることでしょう。 - 社内の照明にどのメーカーを採用するか、気になります。
日立ライティング、三菱電機オスラム、NECライティングのどの会社の蛍光灯を採用するのでしょうか?
日本の電機メーカーは本体同士が合併しないと根本的な企業体質改善にならず、ゆっくりと衰退に向かうと思うのです。
国際的にはGEやジーメンス、フィリップス、サムスン、LG電子、ハイアールなど過当競争の状態です。
現状では過当競争に耐えられる企業はほとんど無いでしょう。
DRAM、半導体、携帯電話、パソコン、テレビなど厳しい競争状態が続いています。
[パナソニックと三洋電機が合併交渉!? どうなる日本の電機メーカー]
http://skygear.blogspot.com/2008/11/blog-post.html
少なくとも国が個々の企業に公的資金を出して電機メーカー乱立の現状を維持するより、本体同士の合併を条件として公的資金を出した方が長い目で見たときに良い結果になるはずです。
メガバンク誕生の時のような国によって大なたが振るわれるか、電機メーカーが自ら合併を進めていくか、どちらかが必要でしょう。