[国税庁 - 平成21年分確定申告書等作成コーナー]
https://www.keisan.nta.go.jp/h21/ta_top.htm
結局、今年も以下の控除のため確定申告を行いました。
- 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
- 外国税額控除
- 医療費控除
e-Taxのため当然、確証の提出も必要ありません。
[Skygear - 「e-Taxを利用してみました」]
http://skygear.blogspot.com/2009/03/e-tax-1.html
http://skygear.blogspot.com/2009/03/e-tax-2.html
http://skygear.blogspot.com/2009/03/e-tax-3.html
なお、20万円以下の雑所得は申告義務はありませんが、確定申告を行う場合は全ての雑所得を申告しなければいけません。
以下の記事で記載した雑所得も申告しました。
[Skygear - FXと金融商品の整理]
http://skygear.blogspot.com/2009/12/fx.html
備忘録的に、今年の確定申告で初めて行った繰越控除と外国税額控除のポイントを記載します。
・上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
特定口座かつ「源泉徴収有り」を選んでいる場合は源泉徴収が行われすでに課税済みのため確定申告は必要ありません。
しかし、譲渡損失がある場合は配当等と損益通算をした上で確定申告で最長3年間は損失を繰越控除できます。
つまり還付金として税金が返ってきます。 (ただし3年間は確定申告の継続が必要)
しかし、残念ながら2009年分の上場株式配当等支払通知書にはETF分配金や株の配当金は記載されていません。
従って以下の資料から「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の項目に入力しなければなりません。
- 特定口座年間取引報告書
- 上場株式配当等支払通知書
- 株式配当等の支払通知書 (上場株式配当等支払通知書)
この場合、所得のうち配当所得は0円となります。
株式、投資信託の売買に伴う損益は「特定口座年間取引報告書」の源泉徴収税額に記載されています。
この源泉徴収税額は計算の際に利用者が有利となるように適切な切り捨て処理が行われています。
そのため、実際の金額と異なる場合がありますが気にせずそのまま使用します。
なお、2010年分以降は配当金の受け取りに比例配分方式 (株式数比例配分方式) を選択していれば「特定口座年間取引報告書」に配当金等を含めて全て記載されるようになります。
ちなみに、損失の繰越控除はその年の上場株式等に係る配当所得の金額について申告分離課税を選択した場合に限られるため、総合課税が前提の配当控除と同時の控除はできません。
・外国税額控除
ここでは外国で働いて所得を得た場合ではなく、外国ETFや外国株式の配当について記載します。
まず、外国ETFや外国株式の配当金等はアメリカ等であれば外国課税・国内課税は分離課税であり、税金処理は完了しているため基本的に確定申告する必要はありません。
そして外国税額控除の適用を受けられるのは、総合課税を選んで確定申告をした場合に限られます。
そのため総合課税として再計算して還付金が発生する場合にのみ申告します。
外国ETFや外国株式は、大手ネット証券では特定口座に入らないため「特定口座年間取引報告書」に記載されません。
従って個々の「海外株式配当等の支払通知書」を用いて外国税額控除の計算を実施する必要があります。
以下はSBI証券の通知のサンプルです。
~~~~~~~~引用~~~~~~~~
現地分配金受領日 2009年xx月yy日
権利付口数 xxxx 口
分配金単価 0.182293 ドル/口
申告レート (a) 91.1 円/ドル
国内入金確認日 2009年mm月dd日
換算レート (b) 92.93円/ドル
現地分配金総額 (c) xxx.xxドル
現地分配金総額の円換算 (c × a) xxxx円 :A
外国税額 (d = c × 外国税率) xx.xxドル
外国税額の円換算 (外国税額控除対象額) (d × a) xxxx円 :B
国内受取分配金額 yyyy.yyドル
国内税額 (10%) (e)= (c × a - d × a) × 10% yyyy円 :C
国内税米ドル換算額 (e / b) yy.yyドル
正味分配金支払額 yyy.yyドル
~~~~~~引用ここまで~~~~~~
電子報告書には計算式を省略したもっとシンプルな書式で記載されていますが、基本的に内容は同じです。
「外国税額控除に関する明細書」に以下を記載していきます。
- 国名 … 大抵は「アメリカ合衆国」になると思います
- 所得の種類 … 「ETF分配」等と記載
- 税種目 … 「配当」
- 納付確定日 … 現地分配金受領日 (現地基準日)
- 納付日 … 国内入金確認日 (国内支払日)
- 源泉・申告 (賦課) の区分 … 「源泉」
- 所得の計算期間 … 国内入金確認日 (国内支払日)
- 相手国での課税標準 … 現地分配金総額の円換算 (A)
※外貨の為替レート … 申告レート (a)
- 左に係る外国所得税額 … 外国税額の円換算 (外国税額控除対象額) (B)
※外貨の為替レート … 申告レート (a)
なお、外国税額控除は国外所得が生じた年と外国所得税を納付することとなる年が一致するとは限らないため、そのような国外所得の発生年と外国所得税の納付年とのズレを調整するため外国所得税の額と控除限度額との差額を翌年以降3年間繰り越すことができます。
為替レートは「申告レート (現地基準日のレート) 」を使用します。
なぜならば、外国税額控除は現地国で課税された税金に対する控除であり、現地国での課税されたタイミングのレートが「申告レート」だからです。
そのため外国税額控除の処理には「申告レート」のみを使用します。
ちなみに、「換算レート」は国内の所得税を計算するためのレートであり「国内支払日」のレートです。
例えば、アメリカのETFやアメリカの株式の分配金・配当金は当然アメリカドル建てですが、国内所得税は円建てで処理する必要があります。
そのため「国内支払日」のレートを使って「国内受取分配金額」に対して課税計算を行い、ドル建てに直して源泉徴収が行われます。
こうすることでアメリカドル建てのまま課税処理が行われ、税引き後の分配金・配当金がアメリカドル建てのまま支払われます。