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2008-07-21

保険とインフレ

◆インフレによる物価変動の計算
保険についてインフレーション (以下インフレ) についてリスクを考えてみます。
まず、インフレ率によって物価が30年後にどれほど変化するかを単純に計算してみます。
  • インフレ率 1%が30年後までずっと続いた場合
    100円 → 134.78円
  • インフレ率 2%が30年後までずっと続いた場合
    100円 → 181.84円
  • インフレ率 3%が30年後までずっと続いた場合
    100円 → 242.73円
  • インフレ率 4%が30年後までずっと続いた場合
    100円 → 324.34円
ちなみに、日本の過去50年平均のインフレ率は3.8%です。
しかし、今後は平均0 - 2%の間でインフレ率が推移することが予測されています。
つまり、30年後には最大で今の1.8倍程度の物価になることが予測されています。
もちろん、あくまでも予測のため、逆にデフレが進行するかもしれません。
GDPデフレーターという国全体での物価上昇率は2007年度でマイナス0.8%程度です。
つまり国全体で見ると物価は下がっています。

[内閣府 - 統計表]
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/toukei.html

個人消費者が影響を受ける消費者物価指数の上昇率であるCPI上昇率は2007年度で0.0%で、2008年度は0.5%以上の上昇が予測されています。
国全体で見るとデフレにありますが、個人が影響を受ける物価は石油や食料を中心に上昇しているためインフレ傾向にあります。

さて、以上を踏まえて保険のインフレによるリスクについて検討していきます。 

 
◆生命保険のインフレによるリスク
生命保険のインフレによるリスクについて検討します。
  • 生命保険
    生命保険には終身保険、養老保険、定期保険があります。
    終身保険は保証期間無期限で掛金、保障額を取り決め、死亡時に必ず保険金がおります。
    養老保険は10年間など期間限定で掛金、保障額の金額を取り決め、満期時に掛金のほとんどが戻ってきます。
    定期保険も10年間など期間限定で掛金、保障額の金額を取り決めますが、掛金が養老保険に比べて安い代わりに戻ってきません。
    さて、生命保険で大事なのは「見直し」です。
    個人的には終身保険は一生涯掛金が変化せず、保障のベースとしては良いですが (いわゆる葬式代として) 、保障額も一生涯固定でインフレや環境の変化に弱い欠点があります。
    従って、インフレや家族構成などの変化には、保障額の変更で融通が利く養老保険や定期保険が有効です。
  • インフレに対する生命保険のリスク検討結果
    終身保険は変額終身保険を除いてインフレに弱いです。
    ただし、変額終身保険は手数料などを考えると自身で資産運用をしたほうが有利なため、検討から除外します。
    葬式代程度 (現行では全国平均300万円程度) の終身保険を用意すれば、後はそのときの物価や家族構成に合わせた養老保険、定期保険で死亡保障はコントロールするのがベストと考えます。
    ある程度インフレが進んでしまったとき、保障の必要性を検討した上で終身保険を解約してしまうのも手です。
    また、預貯金が最も良い保険となるため、投資や預貯金である程度資産を形成しておくのが良いです。

◆医療保険のインフレによるリスク
医療保険のインフレによるリスクについて検討します。
  • 医療保険
    医療保険は一生涯を保障する終身医療保険と10年間など期間限定で保障する定期医療保険があります。
    生命保険は子供の成長など人生の節目によって必要な保障額が変化し、老後はそれほど必要性がなくなる保険ですが、入院のリスクは年齢とともに上昇するため医療保険は年齢とともに必要性が高まるという違いがあります。
     ポイント1、年齢とともに入院のリスクは上昇します。
     ポイント2、インフレ状態では、年齢が上がる毎に医療費も上がることが予測されます。
     ポイント3、定期医療保険では将来的に更新できなくなります。
     ポイント4、社会人の間は就労先が福利厚生として保障しますが、定年後はその保障が無くなります。
  • インフレに対する医療保険のリスク検討結果
    将来的な入院に備えるため、終身医療保険がベストと考えます。
    しかし、終身医療保険はインフレによる影響を受けやすいため、保障額は将来の物価を見込んで十分負担できる範囲で契約するのが良いと思います。
    インフレを含めて将来に備える場合、日額7千円-1万円を保障する契約を交わせば十分ではないかと考えます。
    日額7千円-1万円保障の契約があれば、入院時の収入不足を補填することもある程度可能となります。
    つまり、定年までは収入保障として、老後はインフレヘッジとして日額7千円-1万円保障が良いのではないかと考えます。
    また、就労先の福利厚生による保障がある場合、日額5,000円を保障する契約を交わし、後は預貯金でまかなうのも1つと思います。
    日額5,000円の保障をベースとするのであれば、生命保険の特約として定期医療保障をつけてインフレヘッジすることも1つの手だと思います。 (ただし、更新時に掛金も上がり、ある年齢に達すると更新できなくなります)
    生命保険と同様、預貯金が最も良い保険となるため、投資や預貯金である程度資産を形成しておくのが良いです。

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