2017-10-28

Bitcoinが再分裂、新仮想通貨「Bitcoin Gold」が誕生

「Bitcoin (BTC) 」 (ビットコイン) と呼ばれる仮想通貨が2017年10月24⽇午前10時30分頃に分裂 (ハードフォーク) し、新たな仮想通貨「Bitcoin Gold (BTG) 」 (ビットコインゴールド) が誕⽣しました。

Bitcoin (イメージ)

Bitcoinの分裂は、2017年8⽉に「Bitcoin Cash (BCH) 」 (ビットコインキャッシュ) が分裂したのに続いて2度目です。

[ビットコインが2回目の分裂 「BTG」付与には時間]
(日本経済新聞:2017-10-24)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL24HC7_U7A021C1000000/

[ビットコインゴールド、付与は11月1日以降]
(日本経済新聞:2017-10-24)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22644920U7A021C1EE9000/

現実の通貨のように発行体として中央銀行を持たない仮想通貨は決済手段の一種であり、マイニング (採掘) と呼ばれる計算リソースの投入によって発行されます。
Bitcoinの普及で決済の遅延が頻発していましたが、⼤量のマイニングリソースを持つ中
国系マイナーが寡占しBitcoinそのものの改善に反対、改善が遅れていました。

この状態を改善しようと、⾹港を拠点とするマイナーが暗号の難易度が低く、個⼈で解読に参加できるようにしてBitcoinをハードフォークしたのが「Bitcoin Gold」です。
Bitcoinの問題点に、マイニングリソースに用いる計算リソースとしてASICと呼ばれる専用ハードウェアの存在があり、中国系マイナーがマイニングリソースを寡占し大きな影響力を持つに至った原因でした。
Bitcoin Goldでは、このBitcoinで使われていたASICを使えないようにアルゴリズムを改めています。

今後、この分裂でBitcoin (BTC) とBitcoin Gold (BTG) の価値がどうなるかは不明ですが、2017年8⽉に誕⽣したBitcoin Cash (BCH) の事例では…

  • Bitcoin (BTC) とBitcoin Cash (BCH) は分裂時に時価総額が概ね9対1になった。
  • 2017年10⽉末時点のBitcoin (BTC) とBitcoin Cash (BCH) の時価総額は、概ね18対1に差が開いた。
  • Bitcoin (BTC) 保有者の保有価値はBitcoin Cash (BCH) と分裂する前に⽐べて約2倍になった計算になる。
…とBitcoin (BTC) が圧倒的に優勢でした。
ですが、今回の分裂は、心情的にはBitcoin Goldを応援したくなります。
Bitcoin Goldそのものは、仮想通貨として開発者、マイナー、利用者ともに利点が多く、マイナーリソースの寡占もある程度、防止できるアルゴリズムだからです。

なお、仮想通貨としてBitcoinは存続し続けるため、今のところBitcoin利用者に影響はありません。
しかし、Bitcoin利用者は今後も油断できません。
2017年11月にブロックチェーンを2MBに拡大するハードフォークの計画が控えているからです。
これも賛成派と反対派が発生した場合、また新たな仮想通貨が誕生することになるでしょう。

仮想通貨は中央銀行が介在しない多数決と似た仕組みで動き、この仕組みが仮想通貨の分裂という問題を生じる要因ともなっていますが、この問題の解決策を実装した仮想通貨が登場するかもしれません。
仮想通貨 (ブロックチェーン技術) はまだまだ発展途上ですが、実に面白いのでこれからもトレースしていきます。

0 件のコメント:

コメントを投稿