2010-09-11

10年利付国債の利回りが1%を下回る

第310回利付国債 (10年) の表面利率が1%になり、債券市場の利回りが0.995%と2003年8月以来、約7年ぶりに1%を下回りました。
  • アメリカの景気回復の後退懸念
  • ユーロ圏の国々の財政不安 (主にPIGSと呼ばれる国々)
  • 日本とアメリカ、日本とユーロ圏との金利差縮小
これらの要因により、世界的にリスク回避の傾向が強くなりました。
結果、まずドルやユーロから、より安定的と言われる円やスイスフランに資金が流れます。
そして、買われた日本円は株ではなく債券に投資されます。
この結果、債券価格は上昇、金利は低下します。

外貨を売って円を買う動きにより9月9日にはドルが一時83.34円まで下落、15年3カ月ぶりの安値をつけています。
ユーロも8月24日に105.44円と9年ぶりの安値をつけています。
政府や日本銀行の円高に対する姿勢も市場に見透かされている状態のため、かなりの円高になっています。

現在、多くの先進国では金利を下げ、自国通貨安による輸出増大による景気回復を目指しています。


輸出産業とその下請けがかなりの割合を占める日本経済において、円高はボディーブローのように効いてくることでしょう。

日本だけが対応が遅れていますが、政府や日本銀行の打つ手が無くなれば、完全なゼロ金利政策 (政策金利 = 0.0%、現在の政策金利は0.1%) が採られるかもしれません。
ちなみに、10年物国債の過去最低利回りは2003年6月の0.430%です。

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