2007-09-15

印鑑の書体

社会人として、必要性をまず感じたのは印鑑でした。
印鑑の書体についてまとめてみました。


◆印相体 (いんそうたい)
吉相体 (きっそうたい) とも呼ばれます。
篆書体を基に考案された書体で、各文字の先端が枠に接合するのが特徴です。
印相体は大変縁起が良い書体とされています。
字形が複雑で、偽造を防ぐ目的で実印や銀行印、社印に多く使われます。

◆小篆体 (こいんたい)
秦の始皇帝が、文字の統一をはかった際に定められた書体です。
バランス良く文字を彫ることが難しく、取り扱えるだけの技術を持つお店は多くありません。
この書体は横長の方が綺麗に見えるので、縦書きの印鑑にした方が文字のバランスが良いです。
字形が複雑で、偽造を防ぐ目的で実印や銀行印、社印に多く使われます。

◆篆書体 (てんしょたい) 小篆体をルーツとする書体です。
印章の枠にうまく収まるよう正方形に近づけた「印篆」を使用します。
日本の紙幣に印刷されている「総裁之印」もこの書体です。
印相体より読みやすい書体です。
この書体は縦長の方が綺麗に見えるので、横書きの印鑑にした方が文字のバランスが良いです。
印相体と同様に、偽造を防ぐ目的で実印や銀行印、社印多く使われます。

◆隷書体 (れいしょたい)
秦・漢の時代に下級役人 (隷は下級役人の意味) が書きやすいように作られた実用書体です。
篆書を簡略化し直線的にしたもので、バランスがとれ読みやすい書体です。
日本の紙幣に印刷されている「日本銀行」、「日本銀行券」もこの書体です。
書体の中では比較的読みやすい部類に入ります。
この書体は横長の方が綺麗に見えるので、縦書きの印鑑にした方が文字のバランスが良いです。
主に認印に使用されます。

◆古印体 (こいんたい)
倭古印(やまとこいん)とも呼ばれます。
天平・平安・鎌倉時代の神社寺院の鋳造印を参考に、明治の日本で考案されました。
字の太細部分や鋳だまり、かすれた風合い等が特徴の丸みを帯びた書体です。
書体の中では比較的読みやすい部類に入ります。
この書体は横長の方が綺麗に見えるので、縦書きの印鑑にした方が文字のバランスが良いです。
主に認印に使用されます。

◆楷書体 (かいしょたい)
隋・唐の時代に隷書体と代わって標準となった書体です。
一画一画を続けずに離して描かれ、方形に近い書体です。
日常的にも良く見かける書体で読みやすい書体です。
認印で最も多く使用される書体です。

◆行書体 (ぎょうしょたい) 楷書体をくずした書体で、柔らかな印象の書体です。
主に認印に使用されます。


書体は、以下の順番に読みやすくなります。
そして逆の順番が偽造されにくい順番となります。

←<偽造されにくい>                <読みやすい>→
印相体 → 小篆体 → 篆書体 → 隷書体 → 古印体 → 他の書体

偽造されにくい印相体や小篆体は実印や銀行印、社印に良く用いられます。
認印は読みやすさを重視し、楷書体や古印体が良く用いられます。
横書きの印鑑は、印影を右から左へ読むように作るのが一般的です。

会社でよく見かける印鑑としては、ネーム9 (シャチハタ印) の楷書体・縦書きがあります。
認印として使用され、本体の色はブラックが圧倒的に多いです。
ちなみに、私はシャチハタ印を作るとき、標準品の中には私の名字はなかったため、下のお店で作りました。
意外と読みやすかったので篆書体の横書きを選び、本体色ホワイトのネーム9を作ってもらいました。

[一心堂]
http://www.is-hanko.co.jp/

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